歯科医師コラム

それぞれの春

'16.04.07

秋田の長い冬が終わり、春が近づいている。
桜の開花情報もあちこちで聞こえ始め、秋田も間もなくであろう。

出会いと別れの春と言うが、進学、就職の春を迎えている方も沢山いることと思う。
希望の高校、大学、企業が行先の人もいれば、そうではない人もいる。
人生色々な訳だが、そこがスタートであり、進路で悲観するのではなく、そこで何ができるかを懸命に考えることでゴールは違ってくる。
人生山あり谷ありだから面白いと言いたいところだが、現在谷底にいる人にとってはそれどころではない。しかし後で振り返ってみると自分の人生の糧になっていたなと思うかもしれない、辛いときはジッと耐えるか、がむしゃらにもがくのみである。

我々歯科医師にとって最も大切な関門だった歯科医師国家試験が今年は1月30日、31日に実施された。
歯科医師国家試験は今やとても難しく、昨年の全体の合格率が63.8%と狭き門である。
一昔前の、卒業=ほとんどが歯科医師という時代は終わり、国家試験予備校生は多いと聞く。同級生たちが新米とはいえ先生と呼ばれる中、歯に詳しい一般人となっている悔しさはあるだろうが、長い医療人としての人生の中で、辛い思いを沢山している方がより良いドクターになれると筆者は考えるし、歯科医師になってからの方が、より辛いことにも出会ってしまうだろう。
浪人時代どう過ごすか自体も歯科医師としての適性試験の一つと考えるとよいのではないかと思う。

文:TY