睡眠時無呼吸症候群と心臓病
'15.01.05居眠り運転による事故で有名になった睡眠時無呼吸症候群(SAS)ですが、一方で心臓病の原因としても注目されています。
私自身、心房細動の治療を受けた際に睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を受け、精密検査が必要と診断されて治療を受けることとなりました。主治医から「睡眠時無呼吸症候群が原因で心臓疾患を発症する人が潜在的に多数いると思われます」という説明を受けました。
治療方法としてCPAPと呼ばれる酸素マスクのような装置を睡眠するときに毎日つけるよう指示されます。耳元で酸素を送るポンプ音がし、マスクがちょっとでもずれると空気がもれるゴーという音で目が覚めます。慣れるといいますが大変でした。おまけに、この装置は保険が利きますがリース料として毎月4500円(3割)かかります。
そこで、主治医に「スリープスプリント(マウスピースのような装置です)による治療を実験的にさせてもらえませんか」という提案させていただきました。スリープスプリントを自作し、それを装着して再度精密検査していただきました。その結果、無呼吸の回数が減少するという効果が認められ、スリープスプリントによる治療が始まりました。おかげでやっかいなCPAPから開放されました。
スリープスプリントは保険が利きます。一度製作すると破損するまで使うことができますので、リース料が不要です。おまけに耳元でポンプの音に悩むこともなくなりました。
担当している患者さんでCPAPが使えない人を紹介してもらうことが多くなりました。今のところスリープスプリントの効果があるようで製作した患者さんと主治医からは問題なく使用していると連絡が来ています。
秋田県の歯科医院でスリープスプリントを製作しているのは秋田大学付属病院口腔外科のほかに7診療所(秋田市内2箇所、男鹿市1箇所、南秋田郡2箇所、大仙市1箇所、横手市1箇所、湯沢市1箇所)という報告があります(横手市立病院鈴木先生2014年10月調査)。
SASの精密検査ができる病院、医院も秋田県全体では秋田大学付属病院、秋田赤十字病院、秋田成人医療センター、秋田市立総合病院、中通総合病院を含めても28箇所しかありません(調査、横手市立病院鈴木先生調査)。秋田県にはSASの精密検査をまだ受けたことがない心臓病予備軍がたくさんいそうです。いびきのうるさいあなた、一度検査を受けてみませんか。
【追記】
※添付の調査報告書に掲載されている病院、歯科医院以外でもSASとスリープスプリントに対応しているところはあるようです。
お近くの病院、歯科医院へ直接お問い合わせください。