歯科医師コラム

菌やウイルスに対抗するには・・・

'14.09.18

私が大学生の時のことです。微生物学の教授が講義中に雑談で、「今、虫歯菌のワクチンが開発されている。君たちが卒業する頃には完成するんじゃないかな?そうなったら君たちは失業だよ。」と話されました。(虫歯の根絶は歯科医にとって喜ぶべきことですから)甚だ不謹慎なのですが、そうなったら自分の将来はどうなるんだろうと少々青くなったことを覚えています。一般には、虫歯のワクチンなんて聞いたことがないと言う方がほとんどと思います。研究段階ではありますが、既にあるのです。接種には、かなり念入りな歯のクリーニングの後、消毒薬をその人専用のマウスピースに入れてしっかりと歯の表面をきれいにするという事前処置の後、今度はマウスピースにワクチンを入れて虫歯菌を取り除くという方法をとります。ところが意外なことにワクチン無しの事前処置だけで虫歯菌の除菌ができることが分ったのです。この事前処置を3DSといい、実際に施行もされています。保険も利きませんし、歯石取りより数段念入りなクリーニングをしなければならない等ハードルが高いことに加え、あくまで虫歯になるリスクを大幅に下げるだけ(もちろん歯磨は必要)で、絶対虫歯にならないという訳ではない(1回の除菌での効果はだいたい4~6ヶ月程度と言われているようです)ので一般にはあまり普及していないのですが、これからは広まっていく可能性が高いと思います。
話しは変わって、今世界的にはエボラ出血熱、国内ではデング熱が大変な問題になっています。感染の拡大を防ぐべく様々な取り組みがなされているようですが、どちらもワクチンの開発に成功か?という報道があるようです。不確かな情報のようですが、真実であって欲しいと願っています。